あだち充『H2』1巻

H2 (1) (少年サンデーコミックス)

H2 (1) (少年サンデーコミックス)

あだち充の鉄板である野球青春漫画。大の親友でありライバルである国見比呂と橘英雄は、いかにもキャッチャー的な太っちょのチームメイトの野田敦と共に、中学野球で地区大会二連覇を果たす。しかしその後、医師から比呂は肘、野田は腰に爆弾を抱えていると診断され、野球を断念。英雄が野球の名門・明和一高に進学したのに対して、比呂と野田は野球部のない千川高校に進学する――というプロローグ(Wikipediaをかなりパクった)。
頻繁に作者や編集者が登場する楽屋オチ的なギャグ、『タッチ』や『クロスゲーム』のキャラクターと区別のつかない顔&よく似た展開など、欠点を言い出せばキリがない。しかし、それでも好きな人には何故か「面白い」のが、あだち充の魅力である。俺は正直あまり好きな方ではなかったが、改めて読むと、やっぱり何故か面白い。
本巻では、比呂はサッカー部、野田は水泳部に入部し、野球とは無縁の高校生活を送ろうとする。しかしサッカー部は、野球愛好会と(素人が野球で勝つという優越感に浸るため)野球の練習試合を組み、野球を馬鹿にする振る舞いを繰り返す。嫌気がさした比呂(と見学していた野田)は、一日限りのつもりで野球愛好会に入会して、サッカー部と対決するのである。なかなか面白い。