伊坂幸太郎+斉藤和義『絆のはなし』

伊坂幸太郎×斉藤和義 絆のはなし

伊坂幸太郎×斉藤和義 絆のはなし

想像できなかった組み合わせだ。
本書によると、実は伊坂幸太郎斉藤和義の「幸福な朝食 退屈な夕食」を聴いて、会社を辞めて小説に専念することにしたそうだ。そして2007年3月に、伊坂幸太郎斉藤和義のために「アイネクライネ」という短編を書き下ろし、斉藤和義は「アイネクライネ」を原案に「ベリーベリーストロング〜アイネクライネ〜」という曲を制作・発表したとのこと。もう音楽は全くと言って良いほど聴かないので、そんなコラボレーションの動きなど全く知らなかった。
俺は伊坂幸太郎の本がけっこう好きで、わりと積極的に読んでいる。確認したところ、『オーデュボンの祈り』『死神の精度』『魔王』『重力ピエロ』『チルドレン』『グラスホッパー』『陽気なギャングが地球を回す』『砂漠』『ラッシュライフ』『終末のフール』『陽気なギャングの日常と襲撃』『フィッシュストーリー』は読んでいた(多分『アヒルと鴨のコインロッカー』以外は全て読んでいるんじゃなかろうか)。その中で俺が最も好きなのは『死神の精度』である。これは良い!
斉藤和義も俺はけっこう好きで、「歌うたいのバラッド」に衝撃を受けて以来、一貫して好きなアーティストである。個人的には、斉藤和義のマスターピースは「彼女」しかありえん! と大声で叫びたいところだが、最近はCD自体を買わないし聴かないので、残念ながら最近の歌はよくわからない。しかし、それにしても『Golden Delicious』は何千回聴いたかわからないくらい聴いた。他のアルバムやベストアルバムも何度か手にしたが、結局『Golden Delicious』が一番しっくり来る。『Golden Delicious』以降の曲も良いんだけどね。「アゲハ」とか。
このように大好きな2人なんだけど、まあ本書自体は正直それほど面白いものではなかった。対談以外は2人の年表など「だから何?」という内容が多い。仲の良さは十分に感じ取れるものの、まあファングッズだな。ファングッズで十分に楽しいという人であれば、何も問題ないのだけれど。