- 作者: ケーススタディ研究チーム
- 出版社/メーカー: 日本経団連出版
- 発売日: 1998/02
- メディア: 単行本
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特に興味深かったのは「職場活性化」と「営業活動」の2つだろうか。「職場活性化」のケースでは、職場活性化の施策を考えようとするも、仕事に追われて余裕をなくしていく。そして改善提案をした女性スタッフを八つ当たり気味に批判し、職場活性化のディスカッションの場で本音を言ったスタッフたちを怒鳴りつける。そして改善提案を断られた女性スタッフは辞表を出してしまい、職場活性化どころではなくなる。また「営業活動」のケースでは、住宅メーカーの営業マンは必死に色々と考えて夫婦に提案をして、夫婦も(一見)まんざらでもない受け答えをするのだが、実際は全く心を掴めておらず、真っ先に夫婦の候補から外れてしまう。
大半のケースでは、主人公は決してサボっているわけでも会社を危機に陥れようとしているわけでもない。必死に頑張り、その場その場でベストを尽くす(少なくともベストを尽くそうとする)のだが、結果として事態はさらに悪化する。楽天の野村監督が「負けに不思議の負けなし」という名言を吐いたが、ここで出てくる主人公が引き起こす問題は、やはり「必然」なのである。その意味では、リアルで興味深いケース。