野村総合研究所システムコンサルティング事業本部『ユーザー企業にとってのITアウトソーシング』

アウトソーシングについて語った本。

「情報システム部門リースバック型のアウトソーシング」というのが興味深かった。「企業が持っていた情報子会社にベンダーが出資して合弁会社とし、企業のシステム運営全体をベンダーが元請けして、その下で合弁会社のIT要員が運営実務を行うもの」だそうだ。企業は、情報子会社を丸抱えで引き取ってもらえる上、どんどんライフサイクルが短くなる一方の情報システムを固定費化できる。一方、ベンダーは、例えば10年15億で買い取って、結果的に10年12億で運用できれば、物凄い勢いで儲かる。

この本が書かれたのは2003年だが、2008年現在、アクセンチュアやIBMなんかが必死にやっているアウトソーシングだのBPOだのといったビジネスモデルの基本は、このスキームだと思う。「餅は餅屋に」ではないが、確かに使い方によっては両者にとってハッピーな展開が待っているのかもしれない。