- 作者: 勝間和代
- 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
- 発売日: 2008/04/04
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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『効率が10倍アップする新・知的生産術 自分をグーグル化する方法』のエントリーを書いたところ「勝間さんのブログから来ました」という方からのコメントをいただいた。著者が熱心に自著の感想を収集していることを知って興味を持ち、RSSリーダーに登録。梅田望夫のような刺激的なブログを期待していたのだが、その後数ヶ月、ろくなエントリーが無い。もちろん梅田望夫と勝間和代は別人なのだから、俺が「梅田望夫のようなブログ」を期待すること自体、筋違いと言うものだろう。しかし毎日毎日、宣伝と自画自賛ばかり。サイトの閲覧者に何のメリットがあるのだろうか。完全にファンサイトである。しばらく前にRSSリーダーから外したが、何の後悔もない。
もう一点、こちらはさらに些細な話になるが、「はじめに」を引用したい。
私がこれから説明する手法が信頼できるか否か、半信半疑の読者の方もいらっしゃるかと思いますので、守秘義務に反せずに公開できる範囲で実績を説明します。また自慢話かとうんざりされる方もいらっしゃるとは思いますが、やはり、実績がないと信用ができないのは人間の常だと思いますので、少々我慢して、私の実績紹介におつきあいください。
- 経営コンサルタントとして、複数のクライアント企業の主力ビジネスの研究開発費や販売手数料、サービスの値付けなどについて課題を分析、ビジネスモデルの変革を提案し、実行に至る。結果、年間数百億円単位の利益インパクト創出に貢献
- 経営コンサルタントとして、複数のクライアント企業の新規ビジネスの立ち上げをサポート。商品コンセプト、販売チャネル、顧客獲得方法からテストマーケティングまでサポート。結果、数十億円規模のビジネスの立ち上げに貢献
- 証券アナリストとして、とくにネット系の新興企業のビジネスモデルの分析に強みを持ち、担当セクター(通信・メディア・インターネット)の株式の割安・割高を分析、2006年のネット企業の業績悪化をいち早く予見
- 2007年1月に経済評論家として独立後、『無理なく続けられる 年収10倍アップ勉強法』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、『お金は銀行に預けるな――金融リテラシーの基本と実践』(光文社)、『効率が10倍アップする新・知的生産術――自分をグーグル化する方法』(ダイヤモンド社)など、出版社と共にメディアへのパブリシティ、口コミなどの戦略に関与し、再現性ある形で1年以内に複数の書籍を20万部以上のヒットとして、各出版社の売上・利益に貢献
これらの実績の背景には、マッキンゼーやアンダーセンで学んだことをベースにして、クラアント企業や(以下略)
さんざん太字で自慢話を行い、それが終わったら推敲なんてどうでも良いですか(笑)
しかも「クライアント」という文字の誤植。ありえんでしょう。
『効率が10倍アップする新・知的生産術 自分をグーグル化する方法』で懸念した通り、自慢話と販促活動に一生懸命になるあまり、著者の売らんかな精神が極大化していることが、こういった些細な点で象徴的に表れている。おそらく俺は意地の悪いことを書いているのだと思うが、冒頭から「自慢話」を長々と聞かされた挙げ句に「クラアント」では、嫌味のひとつも言いたくもなるという話である。これが著者の言う「再現性ある形」での「戦略」なのだろうか?
本の内容については、特に基本となる勝間式万能利益の方程式については「これって当たり前のことで、“勝間式”と書くほどオリジナリティのある事柄か?」という強い疑問はあれど、整理されていてわかりやすいし、時々ハッとさせられる深い指摘もあり、さらには深く学びたい人のために参考図書も載っているなど、かなり良い本だと思う。
しかし、こういった勝間和代のこれ見よがしな自慢話や売らんかなスタンスには、どうしても共感できない。これからも著者は良い内容の本を書くのかもしれないし、面白そうであれば今後も読もうと思うが、本の発売を待ちわびる存在になることはない。