柏原麻実『宙のまにまに』4巻

宙のまにまに(4) (アフタヌーンKC)

宙のまにまに(4) (アフタヌーンKC)

天文部ドタバタコメディー。昨日の3巻の感想で書いたとおり、登場人物を上手い具合にカップルにしたいんだろうな、登場人物にハッピーになってもらいたいんだろうな……という作者の意図が透けて見える。しかし、それがあまりにも易々と透けてしまっては、読んでいる側としては面白くもなんともないのである。
例えば、高橋留美子の名作『めぞん一刻』については、こんなもの誰でも「最終的には五代裕作音無響子が結びつくんでしょ」というのはわかる。わかるんだが、読者はドキドキハラハラワクワクするし、引き込まれる。それは「最終的には幸せになるかもしれないが、そう簡単には引っ付けないし、幸せにもさせないよ」という、作者のある種の業のようなものがあったからなのである。しかし本作には、それがない。
加えて書けば、最近はドタバタが過ぎて正直ちょっと寒い。ドタバタは読んでいて楽しくてナンボで、寒いドタバタというのは致命的である。
絵柄もキャッチーだし、最初は面白かったんだけどなあ。