都留泰作『ナチュン』1巻

ナチュン(1) (アフタヌーンKC)

ナチュン(1) (アフタヌーンKC)

言葉を失った天才数学者の作ったイルカの生態を映したビデオから、(暗号だか何だか知らないが、とにかく)人工知能の作り方の結論だけ先取りして「わかって」しまったという主人公。中核となる理論やプロセスはまだよくわからないが、数学者は言葉を失っており、自分が手柄を横取りしても抗議しようがない。だから自分がイルカの生態研究を続けて、数学者の理論を自分の理論として世の中に発表して大金持ちになろう――という野心溢れる青年が主人公の壮大なSF漫画。アフタヌーンで連載中。
第一話は非常に引き込まれるのだが、野生のイルカの生態を求めて沖縄に到着した後は、ほぼSFチックなところは見られず、毎日ダラダラしているような……。人口鰓肺(さいはい)という用語が出てきているところからも、まあ近未来であることは確かだが。ところどころ沖縄のシャーマンみたいな女が出てくるから、これがキーパーソンになるんだろうな。