古川日出男『アラビアの夜の種族3』

アラビアの夜の種族〈3〉 (角川文庫)

アラビアの夜の種族〈3〉 (角川文庫)

古川日出男による傑作長編。3分冊の3冊目。

本書は、劇中劇の形で『災厄の書』という物語が語られるだけのシンプルな入れ子構造ではなく、この本自体が、作者不詳の『アラビアン・ナイトブリード』の英訳版を底本に、古川日出男が日本語訳を行ったという設定になっている。そして、この『アラビアン・ナイトブリード』は明らかにアラビアンナイトをイメージさせるものである

俺は一昨日のエントリーで上記のように書いたのだが、本書の入れ子構造はそんなレベルではなかった。この構造こそが本書の面白さの核心なので、詳しく書くわけにもいかないのだが、とにかく三重・四重(もしかしたら五重か?)の仕掛けが施された、極めて興味深い入れ子構造になっている。本書こそ日本語で書かれた(しかも読みやすい)メタフィクションの極北に違いない!
これで完結なのだが、とにかく大傑作だ! 読み終えるのが惜しいくらいの小説と出会えることは、そんなに数多く経験できるわけではない。間違いなく超必読本である!
アラビアの夜の種族〈1〉 (角川文庫)  アラビアの夜の種族〈2〉 (角川文庫)  アラビアの夜の種族〈3〉 (角川文庫)