SFが読みたい!〈2008年版〉発表!ベストSF2007 国内篇・海外篇
- 作者: SFマガジン編集部
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2008/02
- メディア: 単行本
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伊藤計劃『虐殺器官』
円城塔『Self-Reference ENGINE』
樺山三英『ジャン=ジャックの自意識の場合』
最相葉月『星新一 一〇〇一話をつくった人』
野尻抱介『沈黙のフライバイ』
菅浩江『プリズムの瞳』
小川一水『時砂の王』
冲方丁『マルドゥック・ヴェロシティ』
林譲治『進化の設計者』
国内SFからは9作品。ちょっと気合いを入れてピックアップしてみた。最初の3冊は新人らしい。次世代の書き手なんだそうだ。次世代も何も、まだ俺は古典SFも現代SFも読んでいないのだが、まあ若手の勢いのある物語はやはり読んでみたいということで。あと最相葉月『星新一 一〇〇一話をつくった人』はSF小説ではなく、SFの開拓者である星新一をめぐる伝記のようなものらしい。SFマニア以外にも評価が高いようなので、機会を作って読んでみたい。
さて、本シリーズも現時点での最新刊まで到達したので、簡単に総括めいたことも書いてみたい。俺のような門外漢であっても、こうして集中してブックガイドを読んでいると、日本のSF界をめぐる流れも大枠は掴めてくるようになった。2001年度版から比べると、やはり色々と変わってきた点が多い。第一に、SF系の賞がいくつかできたり、新たなレーベルが準備されるなど、SF系の書き手が活躍する「場」が着実に準備されていることが挙げられる。第二に、ミステリやヤングアダルト小説の出身者が本格SFの世界で才能を発揮するという流れが完全に一般化してきたこと。これはジャンルのクロスオーバーと言えるだろうか。そして第三に(ジャンルのクロスオーバーと似ているが)ライトノベル/ラノベが勃興してきたこと。
ただし俺はSFだけでなくライトノベルの門外漢でもあり、現時点でライトノベルブームをどう扱って良いものかどうか正直よくわからないというのも事実。そもそもライトノベルブームと言ったって、角川スニーカー文庫と富士見ファンタジア文庫あたりは俺が子どもの頃から独自の地位を築いてきているしねえ。電撃文庫だって俺が大学生の頃には既にあったんじゃなかろうか。セカイ系というのもよくワカンネ。
クリストファー・プリースト『双生児』
アルフレッド・ベスター『ゴーレム100』
グレッグ・イーガン『ひとりっ子』
スタニスワフ・レム『大失敗』
海外SFからは4作品。ここまで全て読了できると良いんだけど、まあ難しいよな、絶対。