
20世紀SF〈5〉1980年代―冬のマーケット (河出文庫)
- 作者: 中村融,山岸真
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2001/07
- メディア: 文庫
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収録作は以下の12篇。
ウィリアム・ギブスン「冬のマーケット」
ブルース・スターリング「美と崇高」
ルーディ・ラッカー「宇宙の恍惚」
オースン・スコット・カード「肥育園」
グレッグ・ベア「姉妹たち」
スタン・ドライヤー「ほうれん草の最後」
ポール・ディ・フィリポ「系統発生」
マーク・スティーグラー「やさしき誘惑」
コニー・ウィリス「リアルト・ホテルで」
ガードナー・ドゾワ「調停者」
イアン・ワトスン「世界の広さ」
ジェフ・ライマン「征たれざる国」
サイバーパンクも良かったが、個人的に最も面白かったのはカードの「肥育園」かな。体重が激しく増減する男が主人公なのだが、思わず「そう来たかー」と唸ってしまうオチであった。
あと編者が「肌で感じられそうな“異質さ”を備えた世界や理論を書けるSF作家」として、コードウェイナー・スミス、ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア、ジャック・ヴァンス、マイクル・ビショップ、グレッグ・ベアの名前を挙げているが、彼ら/彼女らの経歴は「(多くは幼少時に)欧米以外の国で生活し、異文化に触れた経験をもつという共通点がある」そうだ。他者との邂逅や異文化との接触は、確かに物語を書く強烈なエンジンになるかもしれない。