たくきよしみつ『デジカメに1000万画素はいらない』

デジカメに1000万画素はいらない (講談社現代新書)

デジカメに1000万画素はいらない (講談社現代新書)

「できるだけ近くに寄って対象を画面いっぱいに写す」「フィルムじゃないのだから連写して後でお気に入りの一枚を選ぶ」「構図にこだわりすぎるよりは後でトリミングする」といった心得や、「露出補正」「色味の調整」「レンズの明るさ」といったテクニックなど、デジカメならではの特性を踏まえた「なるほど」と思わせられる解説が多い。また写真が豊富で、本書の解説が素人にもよくわかるようになっている。
まあ俺はケータイのカメラ機能すら使えないんですけどね!
なお本書のタイトルにもなっているデジカメと画素数の関係は実に興味深い。最近のメーカーやマスコミは、何かと言えばすぐ画素数をベースに製品のクオリティを語ろうとするけれども、実はデジカメというものは、一般ユーザーの使用用途程度では、1000万画素のような極端な高画素になると、かえって画質が落ちるそうだ。それが写真を基にして具体的に解説されている。これは目から鱗。
欲を言えば、本書の議論を踏まえたオススメのデジカメがバイネームで具体的に紹介されているともっと良かった。まあ朝日新聞の連載がベースになっているので、スポンサーを刺激したくないのだろう。