野尻抱介『太陽の簒奪者』

太陽の簒奪者 (ハヤカワJA)

太陽の簒奪者 (ハヤカワJA)

『SFが読みたい!』で紹介されていた本。
野尻抱介のSFについてはこれまで『ピニェルの振り子』と『ふわふわの泉』を読んできた。どちらも傑作だったが、ジュブナイル的な性格の強い作品でもあった(『ピニェルの振り子』は朝日ソノラマ文庫で、『ふわふわの泉』はファミ通文庫)。一方、本書はハヤカワ文庫。れっきとしたSFレーベルである。元々ハードSF的な性格の強い作風だが、もう本書は完全な王道SFを突き進んでいる。地球外文明とのファーストコンタクトというテーマも王道に相応しいものと言えるだろう。