小飼弾+山路達也『弾言』

弾言 成功する人生とバランスシートの使い方

弾言 成功する人生とバランスシートの使い方

泣く子も黙る超有名アルファブロガー・小飼弾(ダンコーガイ)による自己啓発本。弾言とは当然「断言」と著者の名前を掛けた造語である。発売直後の時点で図書館に予約していたのだが、俺より先に予約していた人がたくさんいたため、手元に来るまでに随分かかってしまった。
「本に付箋を貼ってはいけない」という項目で、ページの端が斜めに折られていたので、「なるほどそういう趣向もあるのか」とニヤリとしたが、実はダンコーガイの主張は「本を読むときは『こんな感じ』という曖昧さを残しておく」というもので、線を引くとか書きこむとか付箋を貼るとか端を折るとか、そういった手法の話では全然なかった。
まあ曖昧さを残すとか、勉強したことや読んだ本の内容をブログにまとめたら考えがまとまって良いということは賛成。ただしダンコーガイは速読をマスターしているし記憶力も頭の回転も速いから全く問題ないだろうけれど、俺らのような凡人が後から本の内容を読み返すには、探索的な読みを促進するための工夫も必要だと思う。
あと誰か知らんが図書館の本を折っちゃいかんですよ!
ところで小飼弾は、著者や出版社から送られた本(献本)を紹介し、アフィリエイトで結構な額を儲けている(もちろん自腹で買ってきて書評した本もある)。最初は「献本された本を褒めて金を稼ぐ書評サイトに一体どれほどの公平性がある?」と斜に構えてやろうと思ったが、まあ今まで知らなかった良書を色々と発掘できるし、献本なんて一度もない俺の書評(というか感想)にも公平性なんて全く無いよな! ということで、あまり気にせず楽しむことにした。しかし、小飼弾が出版社と公式に組んでビジネス雑誌のアフィリエイトを始めるようになった時点で、「それはもうテレビショッピングと変わらないんじゃないか?」と思ってしまい、一気に小飼弾に対する熱が冷めた――という経緯がある。あまりにもあからさまな行為はやはり下品である、という好例だと思う。最近は雑誌の紹介エントリーを見かけないので、その試みはもう中止したみたいだけれど。
そう言えば最近どうも小飼弾のブログの切れ味が鈍っている気がする。個人的にもRSSリーダーで見出しだけチェックすることが増えた。それは俺の小飼弾に対する熱が冷めたからではなく、忙しくて小飼弾の疲れが溜まっているとか、そういう理由のような気がする。