『FREEDOM 2』

FREEDOM 2 [DVD]

FREEDOM 2 [DVD]

日清カップヌードルのプロモーションの一環として作られた作品。また「コンテンツ連動型プロモーション」「CM・インターネット・DVDを絡ませたメディアミックスプロモーション」としても注目された。しかし作品自体は、前回も書いたように、直球ど真ん中ストレートのSFと言って良い。
23世紀、地球文明は既に滅び、人類は月に移住している。月では、月共和国「EDEN」(エデン)により、極端な管理社会が築き上げられてきた。しかし主人公(タケル)は、ふとした拍子に地球の女の子の写真を拾い、地球がまだ滅びていないことを確信すると共に、少女に一目惚れする。そしてタケルは仲間たちと一緒に地球へ行こうとする――というアウトライン。大友克洋のキャラクターが、近未来世界で、若者ならではの衝動や恋や友情や冒険心などなどを未分化の状態で抱えながらブンブン暴れまわる。お腹いっぱいのSFである。

コンテンツ連動型プロモーションの事例

さて、昨日ちょっと書いた「コンテンツ連動型プロモーション」に関して、最近の顕著な事例を思い出した。言うまでもなく「けいおん!」である。あまり注目度の高くない同名四コマ漫画を、アニメ好きに評価が高い(らしい)京都アニメーションという会社がアニメ化したところ、素晴らしい内容で社会現象一歩手前くらいまでブレイクした――という、あの「けいおん!」である。まあ所詮は深夜アニメなので、エヴァンゲリオン/ヱヴァンゲリヲンと違って社会現象というほどではないが、それでもネットでは頻繁にその名前を目にする。
で、その「けいおん!」では、アニメそのものやアニメ関連グッズもさることながら、作中でキャラクターが使っている小物がバカ売れしているのである。日刊サイゾーの記事を見ていただきたい。www.cyzo.com
www.cyzo.com
どこまでが意図的な仕掛けなのかは正直よくわからない。単に作品のリアリティを出すために実際の小物を使った結果、小物がブレイクしただけなのかもしれない。しかし、いずれにせよ、この事例からはコンテンツ連動型プロモーションの巨大な可能性(=金脈)が透けて見える。少なくとも、これらのケースを単なる「偶然」や「作品の力」と見るのは少し牧歌的に過ぎる、というのが俺の考えである。
今、企業/広告代理店のマーケッターや戦略コンサルタントたちは、猛烈な勢いでコンテンツ連動型プロモーションの戦略を練っているのだろうか? あるいは、そんなフェーズはとっくに過ぎ去り、(俺たちが気づかないうちに)既に計画的にプロモーションを仕掛けられている段階なのだろうか?