筒井康隆『七瀬ふたたび』

七瀬ふたたび (新潮文庫)

七瀬ふたたび (新潮文庫)

筒井康隆による「七瀬三部作」の第二作。
生れながらに人の心を読むことができる超能力者、美しきテレパス火田七瀬は、人に超能力者だと悟られるのを恐れて、お手伝いの仕事をやめ、旅に出る。その夜汽車の中で、生れてはじめて、同じテレパシーの能力を持った子供ノリオと出会う。その後、次々と異なる超能力の持主とめぐり会った七瀬は、彼らと共に、超能力者を抹殺しようとたくらむ暗黒組織と、血みどろの死闘を展開する――概要については、Amazonの解説がわかりやすかったので、引用させてもらった。
派手なアクションの少なかった第一作『家族八景』と異なり、本書は一転して、超能力アクション的な要素が前面に出てくる。第一作は、精神感応能力者(テレパス)による個人の内面心理との戦いだったが、第二作は、精神感応能力者(テレパス)による国家組織との戦いであった、と言えるだろう。
なお本書については、第一作『家族八景』以上にドラマ化や漫画化されており、山崎さやか『NANASE』も愛読したことがある。やはり原典のパワーは凄まじいと実感したが、これはこれで面白い。興味のある方は手に取ってもらいたい。
家族八景 (新潮文庫)  七瀬ふたたび (新潮文庫)  エディプスの恋人 (新潮文庫)
NANASE(1) (ヤンマガKCスペシャル)  NANASE(2) (ヤンマガKCスペシャル)  NANASE(3) (ヤンマガKCスペシャル)  NANASE(4)<完> (ヤンマガKCスペシャル)