- 作者: 佐藤秀峰
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2005/04/22
- メディア: コミック
- 購入: 2人 クリック: 21回
- この商品を含むブログ (94件) を見る
9巻から13巻までは、精神科編。この巻では、小学校に男が侵入して無差別に子どもを襲ったという痛ましい事件が発生する。そして「実名は報道しないのに精神病院への入院歴は報道する」という「奇妙」なプライバシー配慮により、精神病は危ないという差別が、さらに深く日本に広がっていく場面が描かれる。しかし、このプライバシー配慮が「奇妙」だということ自体、この漫画を読まなければ多くの人は気づかないのではないだろうか? そしてそもそも「精神病は危ない」という認識を完全に拭い去ることは、多くの人間にとって難しいことだと思う。つまり俺も、この漫画で語られる「差別」とは無縁ではない、ということである――。
なお、この事件はおそらく池田小の事件などがベースになっているのだと思う。池田小の事件が現代日本に対して与えたインパクトは比類なきもので、決して他人事ではない。