佐藤秀峰『新ブラックジャックによろしく』1巻

研修医(斉藤英二郎)が目にする日本の大学病院や医療現場の現状を描いた傑作漫画。斉藤は研修の配属先で毎回騒動を起こすが、それらの騒動は、ことごとく日本の医療が抱えている深い暗がりに足を踏み入れてしまう――というアウトライン。
当時、精神科編から1年以上も休載して「どないなっとんねん」と思っていたのだが、何とモーニングからビッグコミックスピリッツへと掲載紙を変えて連載再開した。連載漫画の掲載紙が変わることは時々あるが、それはあくまでも同じ出版社での話である。モーニングは講談社だが、ビッグコミックスピリッツ小学館である。出版社をまたいで続編が作られるのは、かなり珍しいのではないだろうか。
テーマとしても、移植編とは「虚を突かれた」というのが正直なところ。今度がラストエピソードになると聞いていたので、それは「脳死」しかないと個人的に考えていたからである。腎臓移植というテーマが、さあ、どうなるか……。