イワシタシゲユキ『女王様がいっぱい』3巻

女王様がいっぱい 3 (BUNCH COMICS)

女王様がいっぱい 3 (BUNCH COMICS)

主人公の泉佐野は、「文学史に名を残す文豪になる」夢を早々に諦め、「文学史に名を残す文豪を育てる」夢と共に出版社に就職する。しかし文芸に携わる機会がないままいくつかの雑誌を転々とし、今回の異動では何と、レディコミ顔負けの過激な描写を売りにした少女漫画誌に配属されてしまう――というプロローグから始まるラブコメ。要は、元文学青年なのにエロ満載の過激な少女漫画誌の編集にさせられた主人公が、ぶつくさ言いながら同僚の編集者や担当の漫画家にエロいことをしたり妄想したりしている漫画。

3巻でも、ますます主人公の「共感・感情移入のできなさ加減」に拍車がかかっている。以前も書いたが、ここまで感情移入できない漫画を描く漫画家は、新井英樹くらいだろうか。しかし何度も書くように、感情移入できないから面白くないというわけでは全然ない。新井英樹の『シュガー』とその続編『RIN』の主人公のウザさは絶妙である。そして面白い。
シュガー 1 (アッパーズKC)  シュガー 2 (アッパーズKC)  シュガー 3 (アッパーズKC)  シュガー 4 (アッパーズKC)
シュガー 5 (アッパーズKC)  シュガー 6 (アッパーズKC)  シュガー 7 (アッパーズKC)  シュガー 8 (アッパーズKC)
RIN(1) (ヤンマガKCスペシャル)  RIN(2) (ヤンマガKCスペシャル)  RIN(3) (ヤンマガKCスペシャル)  RIN(4) <完> (ヤンマガKCスペシャル)
『女王様がいっぱい』と一緒に、ぜひ読んでみていただきたい。