牧田幸裕『フレームワークを使いこなすための50問』

著者は、元々アクセンチュアの戦略グループやIBMのコンサル部隊にいて、今は信州大学の准教授をやっているとのこと。「文体」「思考スタイル」「端々から見られる自己顕示欲」は完全にコンサルタントのそれであり、学者らしい解説書を期待すると後悔する。

この手の本は最近かなり増えてきており、いささか食傷気味だが、この本は「逆引き」の形を取っている点で、類書とは一線を画している。問いに回答する形でフレームワークの解説を書いているため、体系的な解説にはならないし、50の回答のレベル差も激しいが、時々ハッと驚くほど面白い記述もある。またフレームワークや経営理論については「一般論とは違う解釈」も時々あり、しっかり考えて使いこなしてきたんだなと思わせる。