岩崎日出俊『プロジェクト・コード』

プロジェクト・コード

プロジェクト・コード

投資銀行M&A部門で働く若手アナリストの日常を描いたビジネス小説。このビジネス小説が凡百のビジネス小説と一線を画しているのは、ひとえに著者の経歴である。著者はJ.P.モルガンやリーマン・ブラザーズメリルリンチといったSクラス投資銀行でマネージングディレクター(MD)まで上り詰めた方なのである。だからM&Aのディールだけでなく、ちょっとしたオフィスの様子なども含めて、細部にリアリティがある。
個人的には、黒木亮と真山仁(あと作家じゃないけれど三枝匡ゴールドラット博士)がビジネス小説の書き手として最高峰だと思っていたが、この著者も4人に匹敵する。