
- 作者: 川上未映子
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2010/03/25
- メディア: 単行本
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例えば、川上未映子は昔から「境目」に異様なこだわりを示しているようだ。自分で言うだけでなく、対談中も実際に「ちょっと待ってください」と、「自分と他者の違い」や「何かと別の何かの違い」など、境目に執着しているやりとりが何度も見られる。まあこれが病的なものなのか、単に作家のような特異な才能を求められる人間にありがちなエキセントリックさなのかはよくわからない。ただし少なくとも読者として言い知れぬ迫力を覚えたのは事実である。川上未映子の小説も読んでみたいと思った。
川上未映子の小説は、町田康みたいに地の文が関西弁で句読点が少ないらしい(確かに少し前に本屋で立ち読みしたときも同じことを感じた)。こういう書き方って何年か前からたまに見かけるのだが、どこから来たのだろうな。村上龍が一時期そういう文体を意図的に書いていたような気もするが、そのフォロワーなのだろうか。
ちなみになぜ川上未映子の小説を1冊も読んでいないのに対談集から読んでしまったのかという話なのだが単に出張中の暇つぶしの本を探していたところ帯の川上未映子の写真が可愛かったから買ってしまったというだけであって指摘をされればそりゃあ30歳を超えて妙な気恥ずかしさを覚えはするけれども誰かに何かの迷惑をかけましたでしょうか?
試しに句読点を抜いてみたが、句読点がなくとも誤解のない文章を書くことは不可能ではないよな。ただ俺の書き方では、単に小学校低学年の作文を読まされているだけ、って感じだな。やはり川上未映子の本をちゃんと読んでみよう。