幸村誠『ヴィンランド・サガ』3巻

ヴィンランド・サガ(3) (アフタヌーンKC)

ヴィンランド・サガ(3) (アフタヌーンKC)

11世紀初頭の北ヨーロッパ及びその周辺を舞台に繰り広げられる、当時世界を席巻していたヴァイキングたちの生き様を描いた歴史漫画――とのこと(Wikipediaより)。
3巻では、作品中屈指の化け物であるトルケルが登場。丸太を投げて相手の船を沈めるなど、常識外れのパワーを持っている。雰囲気的には、高山善廣の体格や性格に猪木の顎を付け足したような感じ。アシェラッドといいトルケルといい、キャラが立ってるなぁ。
しかし、強いのはアシェラッドやトルケルといった親分だけじゃない。デーン人のヴァイキング(ノルマン戦士)たちは多かれ少なかれ全員とても強い。そして、その強さには理由がある。彼らは死を恐れていないのである。

キリスト教にかぶれて久しいあんた方はもう忘れちまったかね?
我らノルマン戦士の誉れってやつをよ

………戦士の館(ヴァルハラ)か

そうさ
神々の使者 戦乙女(ヴァルキリー)たちは常に勇者の魂を求めている
神々の戦士(エインヘリアル)と呼ぶに相応しい勇者をな
まさに戦い まさに死んだ者だけが
虹の橋(ビフロスト)をわたり
天界の戦士の館(ヴァルハラ)に住むことを許される
いかに戦い いかに死ぬか それが問題だ
敵は強けりゃ強いほどいい

彼らはヴァルハラに行くことこそが誇りであり、希望なのである。つまり死ぬことは怖くないが、死に方にはこだわる――敵に回したくない奴らナンバーワンである。もしかしたら武士道に通じるところもあるかもしれない。まあ武士道精神は、ヴァイキングのような卑劣な略奪行為は咎めるけれども……。