片桐卓也『クラシックの音楽祭がなぜ100万人を集めたのか ラ・フォル・ジュルネの奇跡』

クラシックの音楽祭がなぜ100万人を集めたのか ~ラ・フォル・ジュルネの奇跡~

クラシックの音楽祭がなぜ100万人を集めたのか ~ラ・フォル・ジュルネの奇跡~

俺は中学入学から社会人になるまで、15年近くを大阪府高槻市で暮らしてきたのだが、高槻市では毎年ゴールデンウィークになると「高槻ジャズストリート」というイベントを行っている。プロアマ問わず3000人以上のミュージシャンがジャズを中心とした音楽が街の至るところで演奏されており、その演奏は(ジャズバーのワンドリンクなどを除いて)全て無料で楽しめる。街全体に音楽が溢れ、老若男女を問わず音楽を楽しんでいるという光景は、はっきり言って絶頂モノの幸福な体験と言って良い。
が、実は東京でも、絶頂モノの幸福な音楽経験が楽しめたらしい。「ラ・フォル・ジュルネ」という舌を噛みそうなイベントである。ゴールデンウィーク中はずっと関西に戻っていたので知らなかったが、アクセス至便の東京国際フォーラムで、プロミュージシャンのクラシック音楽を(無料ではないが)安価で楽しめ、期間中は何と100万人以上が訪れるそうだ。
本書は、その「ラ・フォル・ジュルネ」という舌を噛みそうなイベントがどのようにして生まれ、また発展してきたかをまとめた本である。「ラ・フォル・ジュルネマンセー本なので、基本的には賞賛が97%だが、それを差し引いても魅力的なイベントだ。来年は高槻ジャズストリートに加え、こちらも参加してみようかな。