尹仁完+金宣希『WESTWOOD VIBRATO』1巻

WESTWOOD VIBRATO 1 (サンデーGXコミックス)

WESTWOOD VIBRATO 1 (サンデーGXコミックス)

音楽をテーマやモチーフとした漫画は、けっこう意識的に購入している。『ピアノの森』『のだめカンタービレ』『神童』『マエストロ』『BECK』など、パッと思いつくものだけでも名作は多い。文字と絵で「音」を再現するというのは、誰がどう考えても極めて困難なわけだが、それを(たとえ一瞬でも)再現できた場合、その作品は名作に昇華するのである。
この作品は、音楽というよりは楽器がモチーフになっているのだが、本質は同じだと思う。その楽器が奏でる音が、ページから「視え」て、「聴こえ」てくることが、感動の条件であろう。
が、この作品は、それなりにまとまっていて、まあまあ読ませるんだけど、ページの中から「音」が聴こえてくることがない。Amazonのレビュアーで同じことを書いている人がいたけれど、全く同感である。音が聴こえない音楽や楽器の漫画は、致命的である。
まあ、楽器にまつわる人間ドラマとしては、悪くないんだけどね。