『五分後の世界』@PS2

五分後の世界

五分後の世界

  • メディアファクトリー
Amazon
村上龍の『五分後の世界』とその続編『ヒュウガ・ウィルス』の世界観をベースとしたサウンドノベル。

『五分後の世界』と『ヒュウガ・ウィルス』は、「第二次世界大戦で降伏しなかった日本」を想定したパラレルワールドを舞台とした小説だが、村上龍の圧倒的な描写が際立っており、個人的には村上龍の小説の中でも傑作だと思う。

加えて、色々と「料理しやすい」世界観なので、マルチメディア展開も面白いかなと以前から思っていた……が、俺と同じように思っていた人は多いようで、実はとっくにゲーム化されていた。まあよっぽど売れていないようで、Amazonではゲームも攻略本も新品ではゲットできないが……。

ゲーム版『五分後の世界』は、小説版の『五分後の世界』と『ヒュウガ・ウィルス』の後が舞台となっている。ゲーム版と小説版の登場人物での重複も多く、オダギリ・アキラは小説版『五分後の世界』の主人公なので言うまでもなく、ヤマグチ総司令、ワカマツ、マツザワ・アヤコ、ミズノ少尉も小説版『五分後の世界』で登場していたし、クン・マニアは『ヒュウガ・ウィルス』での登場人物である。また『ヒュウガ・ウィルス』の主人公であるキャサリン・コウリーは、ゲーム版に直接的には登場していない(と思われる)が、名前は何度となく出てくる。

このように小説版『五分後の世界』や『ヒュウガ・ウィルス』のファングッズとしても申し分ないが、『街』や『428』といったサウンドノベルが好きな人には、原作を知らなくても十分に楽しめると思う。原作のような圧倒的な描写は無いので、村上龍自身が文章を書いているわけではないと思われるが、それでも十分に面白い。オススメ。

余談

金八先生のサウンドノベル(?)があると友人に教わる。多分これのことだろうな。Amazonの評価がかなり高い(笑)