カール・E・ワイク『組織化の社会心理学』

組織化の社会心理学

組織化の社会心理学

組織論・組織化論の大家による代表作。
(あえて大げさに書いてしまえば)硬直化した入れ物としての「組織」ではなく、組織が構築・進化・変節を続けていく「組織化」の過程に焦点を当てている、というところに本書の価値がある……のだが、正直に言ってなかなか難しい。翻訳者の貢献もあるのかもしれないが、一見して文体がそれほど難しいわけではないのだが、気づくと、迷い込んでいる。
本書には「イナクトメント」というキー・コンセプトがあるのだが、これがまた説明が難しい。一言で書けば「変異」であり、先ほどの硬直化した「組織」の保持ではない、動的な「組織化」の生成過程を表した概念なのだが、俺自身あんまり正しくは理解できていないのが正直なところ。時間を見つけていずれ再読しようと思う。こういう本は独りでチマチマ精読すると挫折しやすいので、誰かと一緒に輪読できれば良いのだが。