平本アキラ『俺と悪魔のブルーズ』1〜4巻

俺と悪魔のブルーズ(1) (アフタヌーンKC)  俺と悪魔のブルーズ(2) (アフタヌーンKC)
俺と悪魔のブルーズ(3) (アフタヌーンKC)  俺と悪魔のブルーズ(4) (アフタヌーンKC)
ギャグ漫画家による超絶シリアス漫画。
平本アキラは、『アゴなしゲンとオレ物語』というギャグ漫画を描いていた漫画家である。いわゆるヘタウマ系の漫画家だと思っていたが、実は屈指の画力を持っているということがよくわかる。
主人公のRJは、ブルーズが巧くなりたいなどと酒場でクダを巻いている、出産直前の妻を持つ平凡な黒人であった。しかしRJは、一夜にして、天才的なブルーズを奏でられるようになる。悪魔に魂を売って。右手の指が10本になって。
なぜ?
どうやって?
理由はわからないが、これはもう圧倒的な描写である。イマジネーションの爆発。
しかしブルーズの腕(あるいは十本の右手の指)と引き換えに、RJの人生は奈落へと転落する。
様々なトラブルに巻き込まれた結果、とんでもない地雷に足を踏み入れ、とんでもない猟犬たちによって「山狩り」の恐怖にさらされる。いやー、猟犬って怖いな。未完で、続きが読めないのが本当に残念。