三宅乱丈が放つ怒涛のSF漫画。
第13回（2009年）文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞受賞作品。
本作では超能力がモチーフとなっているが、イマイチ消化不良の感もあった『ペット』とは違い、この作品では徹底的に描き切っている。促迫だのイムリだのカーマだのと様々な用語が出てきて、最初は戸惑うところも多いが、物語の奔流に身を任せながら読めば問題なし。主人公（デュルク）が、だんだんと色んな人の色んな思惑に巻き込まれ、人生が大きく変化していくところなどは、ハッタリも効いていて、かなりワクワクする。
なお8巻では、デュルクは追われる身となり、しかも異形の体となる。しかし新たな世界で、新たな出会いを果たす。捨てる神あれば拾う神あり、という奴だろうか。次の展開も相当面白く、目が離せない。
