宮本美沙子＋奈須正裕『達成動機の理論と展開』

達成動機の理論と展開―続・達成動機の心理学

普通のビジネスマンがあえて読む必要はないだろう。ただし書名のとおり、達成動機についての重要な議論を学ぶことができる点で、モチベーションや動機づけについて深く掘り下げたい方にとっては、読めば有益である。例えば、コンピテンシーの大御所と言って良いマクレランドの理論的背景が詳述されている箇所、内発的動機づけについて詳述されている箇所、それらに関連したアンダーマイニング現象や学習性無力感現象についても記述されている箇所などは、人と組織を専門にしている方は、読んで損はないと思う。
ただし学術書なので、簡単ではない。
なお、モチベーションや動機づけについての最近の理論を押さえたい方は、上淵寿『動機づけ研究の最前線』を読むのが良いのではと思う。ただし、こっちも学術書。