俺が若かりし頃、『センチメントの季節』で衝撃デビューを果たした女性漫画家によるタイムスリップSF漫画。
たとえ時間を行き来しても、重要な事実はそう簡単には変えられない――というのが本書の基本的なモチーフというか時間にまつわるロジック。まあ個人的には「時間旅行者の振る舞いのせいで歴史が変わる」とか、「時間旅行者の振る舞いのせいでパラレルワールドがひとつ増える」というよりは、本書のように「時間旅行者が自分の生きる時間とは違う時間軸にタイムワープして何かやらかすことも含め、事実は固定されている」という考え方の方がスッキリ来る。もちろんSFマニアに言わせると、こういう考え方だって矛盾がタップリあるんだろうけどね。
しかし『センチメントの季節』とは全く違うカルさとユルさ、そして思春期ならではの真っ直ぐなナイーブさが混ざり合って、物凄く面白い漫画である。傑作と言って良い。続きが楽しみ。