月刊IKKIで連載されている林田球の長編漫画。ダークな世界観と絵柄に、どうにもユルいキャラクター。このギャップが受けて、漫画読みの中ではけっこう支持されているらしい。まあ普通の人はIKKIなんて手に取らないから、漫画マニア御用達の漫画になるのは必然とも言えるが、もっと広まっても良い漫画である。
この世界では「魔法使い」と「人間」が存在する(正確には悪魔も存在する)。両者はそもそも住む世界すら違っているのだが、魔法使いは魔法の練習のために「ホール」という人間の街を訪れ、魔法被害者を生み出している。主人公のカイマンは、頭をトカゲにされてしまった魔法被害者らしい。「らしい」というのは、カイマンは以前の記憶をスッカリ失っているから。カイマンは、餃子屋の美女・ニカイドウと共に、魔法使い狩りをして小遣い稼ぎをしながら、自分の頭をトカゲにした奴の情報を集めている――というプロローグである。
なかなか色々な立場の色々な思惑が交錯しているのだが、基本的にはユルいノリで展開されている。最初にも書いたけれど、このギャップが良いんだよな。