田中一行『イコン』1巻

イコン(1) (アフタヌーンKC)

イコン(1) (アフタヌーンKC)

月刊アフタヌーンで連載中。
民俗学を研究している学生・ナオヤ(主人公)は、研究の過程で不思議な能力を秘めた「石」を見つけるのだが、それがトリガーになって怪しげな宗教団体やら怖いヤクザやら警察やらに追い回される羽目になる――というプロローグ。まだ序盤なので全体像は正直ほとんど掴めていないが、いわゆる「巻き込まれ型」の主人公によるサスペンス風味なSF漫画であろう。
本書は作者の初単行本とのことだが、基本的な画力が高い上、登場人物の異常性の描写が圧倒的で、もう読んでいてドキドキしまくりである。特に目が暴力的でサイコー。ストーリーの引きも強く、現在連載中の漫画の中で続きが最も待ち遠しい漫画のひとつである。今のところ文句なしに大推薦。この人の漫画は読み続けたいので、ぜひ売れてほしい。

余談

当初はもっと長い連載になると勝手に思っていたのだが、今月号のアフタヌーンの展開が予想以上にスピーディーだったので、単行本2〜3巻程度の短期連載になるかもしれない。本書(1巻)の続きがちょうど今月号のアフタヌーン(2011年9月号)なので、今ならスムーズに連載に追いつける。