小説と違って漫画はどんどん刺激的な作品が生まれ続けているが、本作もそのひとつ。
主人公は、ボードレールの『惡の華』を愛読し、また憧れる大人しい文化系中学生。まあ冴えない感じである。しかし「もののはずみ」で好きな女の子(佐伯奈々子)の体操着を盗んでしまう。もちろん小心者なのですぐに後悔し、こっそり返してしまおうと思う訳だが、その犯行は、教師に対してもクソムシだのバカヤローだの言ってしまうような極めてエキセントリックな別の中学生女子(仲村佐和)に見られてしまっていた……というプロローグ。
仲村さんは、体操着を盗んだことをバラすぞと脅しをかけながら、主人公に対して一方的に「契約」を持ちかけてくる。主人公は弱みを握られてしまっており、逆らうことが出来ない。クラスメートの体操着を盗むなんて、そもそも人間として終わっている行動である上、この仲村さんという女子が、もう物凄い。いわゆる不良ではなく、ちょっとぶっ飛んだ感じのエキセントリックさである。こういうキャラクターは、これまで漫画ではほとんど登場しなかったなー。
続きがとにかく楽しみ。