荒木飛呂彦『ジョジョの奇妙な冒険Part4:ダイヤモンドは砕けない』18〜29巻

泣く子も黙る名作漫画の文庫版。
第三部はDIOという巨悪を倒すためエジプトに向かう中で、敵が待ち受けていたり追いかけてきたり……という構図だったが、第四部は、そもそも(最初は)敵が誰だかわからない。しかし「スタンド使いスタンド使いと引かれ合う」という原則に則り、主人公たちの行く手にスタンド使いが頻繁に立ち塞がる。平和な街中に潜む何気ない脅威を「スタンド」という形で表現しているのである。
ただ第三部に比べるとコミカルな落ちも多く、スタンドの能力もだんだん幅が広がっていき、戦闘も深みを増していき、ややトリッキーになっていく。第三部に比べると地味な印象も強い第四部だが、俺は最も好きかもしれない。
承太郎と仗助は言うまでもなく、吉良吉影や岸部露伴といった別作品にスピンアウトするような人気キャラクターもいるし、広瀬や億泰やトニオといった脇役も素晴らしいしね。