山本弘『アイの物語』

アイの物語 (角川文庫)

アイの物語 (角川文庫)

ロボットが人間を打ち負かし、人間は世界の片隅で前近代的な生活を送らざるを得なくなった未来。人間が世界の中心だった20世紀のお話の語り部としてロボット世界に抵抗していた主人公の少年は、ロボットに捉えられる。しかしロボットは加虐や洗脳を行うのではなく、ただ少年にロボットの物語を語り始める……というプロローグ。最初は地味だと思ったが、深い余韻に包まれるSFである。評判が高いのも頷ける。