「ひょうげもの」と読む。時代劇や落語に詳しい方は「ふざけた」といった意味で使われる「ひょうげた」という表現を知っているかもしれないが、それである。
物語を簡単に説明すると、どうしても「武」よりも「美」や「数奇」に心惹かれる武将・古田織部(古田左介)が、武と数奇の狭間で自分なりの数奇道を追いかけていく一代記……と説明すれば、まあそれなりに適切に伝わるだろう。
山田芳裕という漫画家は、ファクトについてはかなりしっかりと調査するタイプだなと思う。例えば、山田芳裕は表情や所作については物凄く大袈裟なデフォルメを入れる。ストーリーや人物造形もエキセントリックだ。コマ割りなどは過激としか言いようがない。しかし適当に感性だけでやっているというよりは、しっかり考え抜かれているなーという感じ。
展開の方も、どんどん面白くなっていって、もうとどまるところを知らない。どんな結末を迎えるのかなー。