あずまきよひこ『よつばと!』1〜11巻

よつばと! (1) (電撃コミックス)  よつばと! (2) (電撃コミックス)  よつばと!(3) (電撃コミックス)  よつばと! (4) (電撃コミックス (C102-4))
よつばと! (5) (電撃コミックス (C102-5))  よつばと! (6) (電撃コミックス)  よつばと! 7 (電撃コミックス)  よつばと! 8 (電撃コミックス)
よつばと!  9 (電撃コミックス)  よつばと! 10 (電撃コミックス)  よつばと! 11 (電撃コミックス)
あずまんが大王』という4コマ漫画で一躍有名になった作者による代表作。
Wikipediaには「ちょっと変わった5歳の女の子「よつば」が、日常の中で体験する様々な「初めて」や「感動」を描く」という説明があるが、上手い説明だと思う。というのも、本作を、いわゆる「日常系」のゆるふわ漫画と同列に扱うのには違和感があるからだ。
本作はあくまでも「初めて」や「感動」を全身で受け止める女の子と、それを見守る大人や近所の子供たちを描いた漫画である。よつばの視点で読むと、一見すると些細な毎日の暮らしが実に豊かな起伏を持っていることに気づかされる。そして周囲の大人たちの視点で読むと、こうした果てしない善意の上に人が生まれ育ち、社会が形成されているのだということに気づかされる。しかし、そのことに対する押し付けがましさは一切ない。あくまでもエンタメとして楽しみながら、そうした謙虚な内省が知らず知らず促されてしまったのである。漫画技法としても、いわゆる「映画的」とは違う、あくまでも漫画らしいコマ割りや表情の可能性が追求されまくっており、実に刺激的な作品だと思う。
ところで俺は『よつばと!』の連載開始以降、「今、最も新しい漫画だ!」と周囲の知人・友人に言い始めてきたのだが、Wikipediaで確認したら実は本作って2003年から連載が始まっているんだよね。もう10年……時が経つのは早いなあ。

余談

本作は、作中のキャラクターのフィギュアや絵本、日めくりカレンダーといったファングッズも積極的に出されている。日めくりカレンダーとダンボーのフィギュアは、正直欲しい……。
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