水野仁輔『感動!炒カレー』

感動!炒カレー いつものルウだけで。未体験のうまさ。

感動!炒カレー いつものルウだけで。未体験のうまさ。

副題は「いつものルウだけで。未体験のうまさ。」である。
日本の家カレーは、カレーを長時間煮込む。だから具の旨味がルーに移り、ルーは美味くなる。その代わり具は旨味が抜けてスカスカになる……というのが著者の問題意識なのだが、それに対する著者の回答は「そもそも日本で発売されているカレールーは旨いから、スパイス部分は出来合いのカレールーに任せてしまい、具をしゃっきり炒めて旨味を引き出すことで、カレーライスの総合的なおいしさを引き上げよう!」というものである。
要は、こだわれば美味くなるが、時間も手間も金も技術も必要……というジレンマを前にした妥協点として、カレーの根幹であるスパイスへのこだわりを捨てるというものだ。しかも副産物という訳でもないが、ぐつぐつ煮込まないから、調理時間も10分程度になる。なるほどなー。