堀辰雄『燃ゆる頬・聖家族』

燃ゆる頬・聖家族 (新潮文庫)

燃ゆる頬・聖家族 (新潮文庫)

堀辰雄の初期の作品を集めた短編集。収録されているのは「麦藁帽子」「燃ゆる頬」「聖家族」「ルウベンスの偽画」「恢復期」「旅の絵」「鳥料理」の七編。まあ今は青空文庫で全て読めるだろう。
堀辰雄は文章が綺麗だなあ。それに何とも言えない静謐さをたたえた叙情的な雰囲気がかなりツボ。幻想的と言ったら言いすぎだろうか? 文体や構成としてはフランス文学の影響が強いと一般には言われているが、解説曰く、かなり色んなものを貪欲に吸収している作家なのだそうだ。