
- 作者: とよ田みのる
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2012/11/12
- メディア: コミック
- クリック: 2回
- この商品を含むブログ (7件) を見る





誠実&正直すぎて時にエキセントリックですらある星野くんと、ボーイッシュでツッコミが得意な根岸さんの2人を中心とした傑作ラブコメ漫画。二人は愛について、成長について、欲望について、二人の関係についてなど、様々なことを正面から見据え、あまりにも直球で語り合う。そこがコメディとしてのキモになる面白さなのだが、一周回ってじんわりあたたかい気持ちにもなれるハートフルな作品である。連載当時は「ラブコメ」の表現が一回りするとこうなるのか……と驚いたものだが、新装版となる本書を読み返してみて、2013年現在でも本作はラブコメの最先端であり、その魅力はいささかも衰えていないことを確信した次第である。
さて、この巻は特に傑作揃いなのだが、特に好きなのは自転車にまつわるエピソードである。実は星野くん、これまで自転車に乗れなかった(そしてそのことを特に不便だとも感じていなかった)のだが、この度、根岸さんと特訓することになる。以下で引用しているのはその時のひとコマ。



【星野くん】
河 キレイじゃないですか?
【根岸さん】
うん
私も今そう思ってたよ
【星野くん】
子供の頃 この河がキレイだなんて 一度も思ったことなかったです
でも今は 世界が輝いて見えるんです
今まで気にもしなかった
通学途中に見かけた花とか
晴れた空とか
根岸さんとか
昼間見たエロ本とか
【根岸さん】
一緒にすんなよ!!
【星野くん】
そんな思いを込めて もう一度チャレンジします
【根岸さん】
(星野くんの自転車を支えながら)
私もね!!
世界が輝いて見えるよ!!
世界が輝いて見える……なんと幸せな言葉だろうか。
何度読み返しても傑作のワンシーンと言って良い。