守屋貴司『激動の総合商社−管理・組織・労働の経営学的研究−』

激動の総合商社―管理・組織・労働の経営学的研究

激動の総合商社―管理・組織・労働の経営学的研究

『総合商社 商権の構造変化と21世紀戦略』および『総合商社の経営分析』と同時にAmazonで購入。前掲の2冊を読みながら、あまり古い商社論は読んでも仕方ないなあと思っていたため、本書もややネガティブに読み始めたが、本書は(類書が流通論・マーケティング論・経営史等を軸に論じているのに対して)組織や労働に着目して論じている点で、独特の立ち位置を持った本だと思う。
しかしあくまでも2000年に出版された本なので、現在のBU型組織については十分に論じられていないし、商社各社が負の遺産への対応を完了させて攻勢を強めたと思われる2005年前後からの組織・人事の趨勢にも触れられていない。だから今となっては結局、研究者と商社の人事部の方が中心的な読者かな。時間があれば、もっとじっくり読みたいとは思うのだけれど。