押見修造『アバンギャルド夢子』

惡の華(1) (少年マガジンKC) 惡の華(2) (講談社コミックス) 惡の華(3) (講談社コミックス) 惡の華(4) (講談社コミックス) 惡の華(5) (講談社コミックス) 惡の華(6) (講談社コミックス) 惡の華(7) (講談社コミックス) 惡の華 (8) (講談社コミックス) 志乃ちゃんは自分の名前が言えない
押見修造は『惡の華』で大ブレイクしたが、『志乃ちゃんは自分の名前が言えない』など他の作品も非常に面白い。本作は押見修造の初単行本なのだが、主人公(夢子)は寝ても覚めても「ちんこ」のことが気になって仕方ないナイーブな女子高生だ。本物を見たことがないのでディティールは朧げだが、性欲というよりは圧倒的なまでの好奇心に支配され、とにかく本物の「ちんこ」が見たくてたまらないのである。思い悩んだ夢子は「ヌードデッサン」という方法で男の「ちんこ」を見ようとする……というアウトライン。
一見ギャグ漫画的なタッチでストーリーが展開するが、巻末の「解説」で著者が語っているように、俺もこれはギャグ漫画ではないと思う。表現の根源、創造の源流を辿った真摯な漫画ではないかとすら感じた。大推薦!