おおひなたごう『目玉焼きの黄身 いつつぶす?』1巻

登場人物は生真面目な顔で生真面目に振る舞っているのだが、それがどこかズレていて静かに笑えるタイプのギャグ漫画。
主人公は、食をめぐる些細なことが気になって仕方がない。目玉焼きの黄身をどうやって食べるかとか(黄身を潰してソースみたいにして白身につけて食ったら旨いのに彼女はそうしていない)、トンカツ定食の付け合わせのキャベツをどう食べるかとか(カツとキャベツが口の中で渾然一体となるのが旨いのに見知らぬあの女性はカツを全て食べ切った後にキャベツだけをドレッシングで食べている)、カレーライスのルーをどうやってかけるかとか(カレーとライスの部分を食っていたらいずれカレー部分とライス部分が離れてモーゼの海割れのようになる)、納豆を食べたら他のおかずを食べる時も納豆の味しかしなくなるよねとか(でも納豆は好きなので食べたい)、そういう下らないことが気になって仕方ないのである。で、そんなことで彼女と喧嘩したり先輩に相談したりしながら生きているのだが、もう気になることが多すぎて仕事に身が入らない……という。
言葉にすると下らないのだが、まあ確かに下らない。でも、そういう「あるある」レベルの話を「笑い」に転化するスキルはなかなかのものだと思う。続きが楽しみ。