釘山健一『「会議ファシリテーション」の基本がイチから身につく本』

「会議ファシリテーション」の基本がイチから身につく本

「会議ファシリテーション」の基本がイチから身につく本

仕事上の必要性から、今、会議やミーティングに関する本を手に取っている。
評判が良いので手に取ってみたが、俺にはあまり優れた本とは思えなかった。とにかく場当たり的・ボトムアップ的なアプローチで、何か上手く行かなかったときに逆引き的なアプローチで読む・活用するには良いかもしれないが、そもそも会議とは何で、何のために開催するのか、会議の種類はどういう切り口でどう分けることができ、会議の流れ(ステップ)はどうか、ということを綺麗に整理し切れていない。
著者は「ファシリテーター」と「従来的な会議の議長」を対置しており、議長だと▲▲だけど、ファシリテーション技法を習得したファシリテーターだと△△になる……という説明の構造である。実は、ひとつひとつの言っていることそのものには、そこまで不満はない。だからAmazonの評価も高いのだろう。しかし、ダメな例と良い例の2つをポンと見せられても、それが「ミーティングのあるべき姿」を構造化したものではないから、「本当にそれだけか?他にもあるだろう?」という疑問が拭えない。場当たり的というのは、ここから来る印象である。