日本推理作家協会 編著『ミステリーの書き方』

ミステリーの書き方

ミステリーの書き方

文字通り、日本推理作家協会の会員がミステリーの書き方を指南するという本。私はあまりミステリーに明るくないが、それでもこれが奇跡のような本ということはわかる。数十人のミステリ作家が様々なテーマで約500ページに渡ってノウハウを開陳しているのに、値段は1800円なのである。
書き手についてもビッグネームが揃い踏みで、天童荒太森村誠一東野圭吾・法月倫太郎・阿刀田高有栖川有栖山田正紀船戸与一宮部みゆき乙一二階堂黎人北村薫真保裕一岩井志麻子北方謙三野沢尚楡周平馳星周石田衣良伊坂幸太郎赤川次郎綾辻行人我孫子武丸東直己小池真理子今野敏貴志祐介神崎京介花村萬月恩田陸横山秀夫大沢在昌……と、私が知っているだけでも、ざっと数十人のビッグネームが文章を書いている。
しかも本書には日本推理作家協会の会員に対する20〜30のアンケートの集計結果とコメントが載っていて、これがまたなかなか面白い。つらつら観ていると、西村京太郎のようなスーパービッグネームがコメントしていたり、逆にミステリっぽくない(むしろSFやライトノベルの書き手として認知されている)作家もコメントを寄せていたりと、さらに興味深い。

余談

Amazonで検索して気づいたが、「アメリカ探偵作家クラブ」というところも『ミステリーの書き方』という本を出しているようだ。1976年の本の翻訳なので、今となっては少々古いかもしれないが、なかなか興味深い。
ミステリーの書き方 (講談社文庫)