佐藤秀峰『新ブラックジャックによろしく』6巻

新ブラックジャックによろしく 6 移植編 (ビッグコミックススペシャル)

研修医（斉藤英二郎）が目にする日本の大学病院や医療現場の現状を描いた傑作漫画。斉藤は研修の配属先で毎回騒動を起こすが、それらの騒動は、ことごとく日本の医療が抱えている深い暗がりに足を踏み入れてしまう……というアウトライン。
かつて読んでいた時は「完全に迷走中だ」と思い、この辺りで読むのをやめてしまっていた。しかし『ブラックジャックによろしく』は今、電子書籍が無料で読めるため、久々に読み返し、その勢いで『新ブラックジャックによろしく』も読んでみた次第。
この頃は絵柄もゆがみ、主人公に感情移入もできず、一体この物語はどこに向かおうとしているのだろう、そればかりを考えながら読んでいたのだが……心を打った。5巻ぐらいまでは再読しても「ふーん」という感じだったのだが、6巻は違う。いわゆる過去の話なんだが……名作だ。ちょうど読んだ記憶がなくなったあたりから、近藤先生（男）に激しく引き込まれてしまう。