- 作者: うえお久光,綱島志朗
- 出版社/メーカー: アスキーメディアワークス
- 発売日: 2009/07/10
- メディア: 文庫
- 購入: 101人 クリック: 2,229回
- この商品を含むブログ (310件) を見る
主人公の女の子は紫色の瞳を持ち「人間が皆ロボットに見える」という特殊な人間で、語り手の級友は(翻弄されながらも)小動物のような愛すべき主人公に癒され……という、実に下らないイントロがしばらく続く。何故そんなに評判が良いのかと不思議だったが、しばらく我慢して読んでいると、私の第一印象が間違いだったことに否応なく気づかされる。
まず第一に、主人公は「人間が皆ロボットに見える」女の子ではなく、単なる語り手と思っていた級友の女の子の方だったということ。第二に、下らない癒し系ストーリーではなく、平行世界を扱った意外に真面目なSFだということ。平行世界で何度も試行錯誤を繰り返すのは『STEINS;GATE(シュタインズゲート)』を彷彿とさせるかも。ちょっと立ち上がりが遅すぎるなぁと思ったけれど、これは面白い。