
- 作者: 岩井琢磨
- 出版社/メーカー: 日経BP社
- 発売日: 2016/04/14
- メディア: Kindle版
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余談ながら、こういう「物語」がマイナスに働いているケースもある。例えばマクドナルドのミートパティには、ミミズの肉が使われているという都市伝説が何十年も前から存在する。これはロジカルに考えれば「ありえない」ことが明白だ。世界中に蔓延るマクドナルドのミートパティに使えるだけのミミズを飼育する設備やコスト、ミミズ飼育の事実をマスコミから隠蔽するための情報操作コスト、ミミズの形や食感が残らないようにする(そして動物の加工肉を食べていると思わせる)繊細な加工技術、ミミズの体内から砂を吐き出させる手間と技術……。味や鮮度の問題もある。衛生的な配慮も必要だろう。そんなことをするよりも牛と豚を加工する方がよっぽど楽だ。明らかにコストに見合っていないのである。しかしこの噂は未だに語り継がれている。
もしマクドナルドが本当にミミズを食用化する技術を確立したのなら、数十年後に世界中を襲うと言われている食料危機を見据えた昆虫食のパイオニア企業として、マクドナルドは二度目の世界制覇を果たすことになるだろう。