宇都出雅巳『合格る技術』

合格る技術

合格る技術

これで「合格うかる」と読む。

普通は体系的なインプットの参考書を読んで、問題集をやって、最後に過去問を解いて……という発想に行きがちだが、本書のアプローチはそれとは対極である。すなわち、まず過去問の問題と解説を何度も何度も読む。答えを覚え込むぐらい何度も読んでもわからないものについてインプットする。ざっくり言うと、こういう流れである。

これでは当然、100点は取れない。網羅的に勉強していないのだから……。

でもそれで良いではないか。試験の点数は合格点に達すればそれで良く、100点は不要である。試験のためだけに勉強するのは不毛だという声もあるが、そもそも試験は合格するためにやるものであって、ちゃんとした勉強は合格した後で良いではないか……これが本書に通底する発想だ。

わたしは資格の類をほとんど全く持っていないのだが、確かにこういう割り切りが出来る人は強いと思う。