大崎玄長『やりたいことを仕事にするなら、派遣社員をやりなさい!』

やりたいことを仕事にするなら、派遣社員をやりなさい!

やりたいことを仕事にするなら、派遣社員をやりなさい!

派遣社員=悪、負、弱、といったイメージが強いが、本書はそうしたイメージに否を唱える。

派遣会社を経営している著者が、派遣社員として働くメリットを一冊かけて説明するという本である。

「派遣社員は不安定とは限らない」等、個々の主張はわからんでもないが、全体としてはやはり「ポジショントークだなぁ」という印象が強い。目標や趣味・家庭を第一優先した結果として派遣社員を積極的に選んでいる人がいるのは確かである。それで幸せな人もいるだろう。しかし現実に、正社員として自社にコミットしたい、あるいは正社員という安定的ポジションを得たいけれども、派遣社員という選択肢しか選べない方は多くいて、そのような方の多くは薄給で、不安を抱えながら毎日を送っているように見える。

日本企業のうち80%が派遣社員を使っているから派遣社員は安定しているんだという謎ロジックもあり、この辺は端的に「詭弁」だなと思う。